91探花

最先端研究探访

健康寿命の延伸に寄与する 医薬シード化合物の探索研究

HOME研究最先端研究探访健康寿命の延伸に寄与する 医薬シード化合物の探索研究

 

DSC04413 コピー.JPG

薬学部薬用植物园にて。薬学部及び薬学研究科学生の教育研究に使用する
薬用植物園の園長も務めている田中先生( 手前の植物はビヨウヤナギ)。
约1万平方メートルの敷地内で、约700种の植物を栽培していて、野生ではすでに絶灭した「コブシモドキ」など、
絶灭危惧种の保护?増殖を行う「种の保存」の役割も担っています。
薬用植物园は年に一度、一週间の一般开放を実施しており、例年多くの人が访れます。

 

大学院医歯薬学研究部 薬学域 生薬学分野 准教授
田中 直伸(たなか なおのぶ)

とく迟补濒办2026年冬号掲载/取材2025年10月)&苍产蝉辫;

现代社会が求める「元気に长生き」する成分を探して

〝人生100年时代〞と言われる现代では、単に寿命を延ばすだけでなく、健康で自立した生活を続ける「健康寿命」の延伸が重要なテーマとなっています。
この课题に、薬用植物や海洋生物由来成分の研究を通じて挑んでいるのが、田中先生の研究室です。
世界各地で民间薬として伝承されてきた薬草や、日本固有の植物、さらには徳岛の特产物である阿波晩茶などから、人々の健康に役立つ素材とその成分の探索や、新たな医薬品、机能性食品の元となる「医薬シード化合物」の探索研究を行っています。

 

tanaka01.png

田中先生(写真中央)と研究室の皆さん。

 

世界各地に息づく独自の薬草文化に注目

田中先生はこれまでモンゴルや中国などで现地调査を行い、その土地に根付く民间薬の研究を行ってきました。中でも力を入れているのが中国南西部に位置する「広西チワン族自治区」での国际共同研究です。
水墨画で描かれる桂林のような奇岩が连なるこの地域は、特异な石灰岩地帯であり、アルカリ性土壌という过酷な环境に适応した植物が独自の进化を遂げています。
植物多様性が极めて豊かな地で、现地の少数民族は古くから独自に薬草を利用してきました。
この研究は、かつての恩师や同门の研究者たちとのつながりから発展したもので、现地の植物研究者との长年の交流を経て、コロナ祸明けに再び现地调査を実施。炎症性疾患に使われる现地の薬草から、脳の神経炎症を抑制する可能性のある成分を発见しました。
また研究を通して、既知の成分でもこれまで知られていなかった効果を见つけることも。
その一例が、モンゴルで「チャーガ」と呼ばれるキノコに関する研究です。
モンゴルでは古くから毛染めや洗髪などに利用されてきたことに着目し、含有成分を详しく调べたところ、教科书にも登场するような基础的な化合物の中に、育毛剤として働く可能性のある成分が含まれていることを突き止めました。
研究を进めた结果、その化合物には毛乳头细胞を増殖させる活性(育毛効果)があることが明らかになり「チャーガ」を使った育毛剤が共同研究公司から上市されました。

日本の植物から発见!「トリアデノシド」と抗フェロトーシス活性

海外の植物だけでなく、日本の植物からも重要な発见が生まれています。
北海道で採取したオトギリソウ科植物「ミズオトギリ(Triadenum japonicum )」の成分探索において、新規化合物を発見。植物の学名にちなみ「トリアデノシド(Triadenoside )」と命名したこの成分は、現代医学が注目する新たな細胞死「フェロトーシス」を抑制する活性を持つことが分かりました。
フェロトーシスは、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患や、脂肪肝などに関与しているとされる细胞死の一种です。この细胞死を食い止めることは、脳や肝臓の机能を守り、结果として健康寿命を延ばすことにつながると考えられています。

「単离」へのこだわりと未知の成分に名前をつける喜び

研究の根底には、中国最古の薬物书『神农本草経(しんのうほんぞうきょう)』の考えがあります。この书物では、生薬を上品(じょうほん)?中品(ちゅうほん)?下品(げほん)の3つに分类しています。下品は毒性があるものの、病気を治す强い作用を持つ薬(现代の抗がん剤などのイメージ)ですが、上品は「命を养う」薬とされ、长期间服用しても害がなく、体を强くし、不老长寿につながるものとされています。
田中先生が目指すのは、上品に该当する成分の発见です。
昨今の分析技术の进歩により、植物抽出液を机械にかければ、数多くの成分を一斉に分析することが可能になりました。しかし、田中先生の研究室ではあえて手间と时间のかかる「単离」にこだわっています。
単离は、混合物の中から一つの成分だけを纯粋な形で取り出す手法です。一斉分析では埋もれてしまうような微量な成分や、データベースにない未知の成分も、単离して初めてその化学构造を决定し、正确な活性を评価することができるといいます。
そうして未知の成分を発见したあかつきに、もうひとつ楽しみなのが、见つけた成分に命名できること。
「谁も知らない成分を见つけ、それに名前をつける。これは研究者としての大きな喜びです」という田中先生。ミズオトギリから発见した「トリアデノシド」や、徳岛県の民间薬ビヨウヤナギに含まれる抗贬滨痴活性物质「ビヨウヤナギン」などは、田中先生が名付けた化合物です。自身が名付けた化合物が世界の科学论文の中で使われ続け、未来の医疗や健康科学を支える基盘となることは研究者の醍醐味でもあります。

 

tanaka02.png

tanaka03.png

thumbnail_DSC09309.png
 

「阿波晩茶」に秘められた健康パワーを新商品に活用

研究室では、徳岛の特产物である「阿波晩茶」も研究対象としています。
徳岛県上胜町などで生产される阿波晩茶は、茶叶がしっかり成长する夏の暑い时期に全て手作业で摘み取りが行われます。
作业の中心を担うのは现地の高齢女性たち。急な斜面をものともせず働く彼女たちの健脚ぶりと元気さに、「阿波晩茶には健康効果があるのでは?」という着想から研究を开始。现在、茶叶の製造工程で生じる未利用资源(茶汁)に含まれる有用成分の探索を进め、ヘルスケアに有効な机能性食品の开発を目指し、地域特产物の新たな価値创出につなげようとしています。
「自然界には私たちの健康を支える未知の成分が数多く眠っています。未知の成分を见つけるとワクワクします。一つ一つを丁寧に単离し、その构造と机能を解き明かしていく。その地道で根気强い基础研究の积み重ねが、やがて『元気に长生きできる社会』の実现につながると期待しています」。

 

tanaka06.png

薬学部生薬标本室にて。研究室では汉方薬の构成生薬の成分再検讨にも取り组んでいます。
汉方薬は経験的に「効く」ことが分かっていますが、実はどの成分がどう作用しているのか、
科学的には未解明な部分が多く残されているのだとか。
生薬一つ一つを微量成分まで彻底的に探索し直すことで、汉方の薬効メカニズムを现代科学で説明しようと试みています。

 

カテゴリー