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研究概要

医薬品やその作用标的となる生体分子の多くは有机分子であり、新たな有机分子を设计?合成し、その构造や机能を制御する有机化学は、医薬品の创製や生命现象の解明において重要な役割を担っています。
有机化学は长い歴史の中で大きく発展してきましたが、现在もなお多くの未解决课题が残されています。例えば、复雑な有机分子の狙った部分だけを自在に変换する技术、従来にない构造や机能をもつ分子を创り出す技术、化学反応が起こる时间や场所を精密に制御する技术などは、现代の薬学においても重要な研究课题です。
私たちの研究室では、これらの课题に対して独自の分子および化学反応の创成を基盘とするアプローチから取り组み、医薬品の创製、生命现象の解明、さらには疾患の诊断?治疗に役立つ新たな化学技术の开発を目指しています。

研究内容

① 水中での官能基選択的分子変換法の開発

~复雑な分子の中で、狙った官能基だけをどう変换するか~

生体分子や天然物は、その化学构造に由来する固有の机能や物性を有しています。これらの分子を化学修饰する技术は、分子の机能や物性の改善、机能の解明、さらには分子の标识?検出などに有用です。一方、生体分子や天然物には多様な官能基が存在するため、狙った部分だけを选択的に変换することは容易ではありません。特に、カルボキシ基、リン酸基、硫酸基などの酸性官能基は、生体分子や生物活性天然物に広く存在するものの、水中で选択的に修饰できる手法は限られています。私たちは独自に设计した反応性分子を活用し、水中で酸性官能基をはじめとする特定の官能基を选択的に修饰する新たな化学反応の开発に取り组んでいます。

選択的官能基変換.png

代表的な成果

Org. Lett. 2024, 26 (1), 380–384.

Chem. Eur. J. 2025, 31 (23),  e202500187.

Org. Lett. 2025, 27 (26), 7206–7211.

Org. Lett. 2026, 28 (32), 10376–10381.

② 新規分子構造と機能の開拓

~これまでにない构造や相互作用から、どのような新しい性质を引き出せるか~

有机分子の性质や机能は、その分子构造や电子状态、分子内?分子间相互作用によって大きく左右されます。これまで数多くの有机分子が合成されてきましたが、未开拓の分子骨格や十分に活用されていない分子间相互作用には、新しい机能を生み出す可能性が秘められています。私たちは、特异な电子构造を有する小员环化合物や、特徴的な水素结合を形成する分子构造などに着目し、その合成法や物理化学的性质の解明に取り组んでいます。さらに、これらの分子が示す独自の反応性や分子认识能を活用し、従来にない物性?生物活性をもつ分子の创出を目指しています。

独自構造の開拓2.png

代表的な成果

J. Am. Chem. Soc. 2013, 135 (37), 13644–13647.

Cells 2022, 11 (3), 317.

Org. Biomol. Chem. 2023, 21 (9), 1937–1941.

更に、有机合成化学の知见に基づき、优れた特性をもつ放射性医薬品の开発を目指した共同研究に取り组んでいます。

代表的な成果

J. Med. Chem. 2025, 68 (2), 1540–1552.

③ 光を用いる反応制御

~反応性の高い化学种を、必要なタイミング、必要な场所でどのように発生させ利用するか~

高い反応性を示す化学种は、通常の条件では困难な分子変换を可能にする一方、不安定であるため、その発生や反応を制御することが课题となります。光を利用する化学反応は、光照射の有无や照射位置によって反応が起こる时间や空间を制御できる可能性をもちます。私たちは、シクロプロペノンなどの小员环カルボニル化合物に着目し、光照射によってイナミンやケテンなどの高反応性化学种を発生させる新しい反応の开発に取り组んでいます。さらに、これらの反応の机构を解明するとともに、従来の方法では困难な分子変换や、生体関连分子の化学修饰への応用を目指しています。

シクロプロペノン2.png


Org. Lett. 2017, 19 (18), 4912–4915.

J. Org. Chem. 2018, 83 (21), 13595–13603.

Org. Lett. 2019, 21 (11), 4101–4105.

J. Org. Chem. 2021, 86 (4), 3625–3636.

J. Org. Chem. 2024, 89 (15), 10709–10718.

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