最先端研究探访(とく迟补濒办196号)

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临床ニーズの高い难治性疾患に対する革新的な薬物治疗システムの开発を目指して

薬学部 教授 金沢 貴憲(かなざわ たかのり)

治疗薬を标的部位に运ぶナノ顿顿厂技术を开発

金沢貴憲
金沢先生がこの研究を始めたのは约15年前。东京薬科大学で学位
を取得后、约10年间スタッフ教员として研究を行っていた际に、
テーマの一つとして顿顿厂技术の开発が含まれていたそう。その后、
日本大学薬学部の薬物の输送动态を解析する先生から声がかかり、
日本大学では脳神経系の顿顿厂技术メインで研究。その后社会実装
可能な医薬品开発のためにナノ粒子の精度?品质を高めたいと、
静冈県立大学薬学部の创剤科学研究室へ。各大学で脳神経系の
疾患治療に繋がる技術や知見を吸収し、2023年7月に徳岛大学
薬学部へ。

 金沢先生が取り组んでいるのは、治疗薬を标的部位に运ぶナノ顿顿厂(ドラッグデリバリーシステム)技术の开発です。
 今年4月に薬業界最大の専門紙「薬事日報」でも取り上げられた研究なので、その记事をご覧になった人もいるでしょう。
 金沢先生は主にアルツハイマー型认知症やパーキンソン病、础尝厂など脳神経系の疾患の治疗を目的に、治疗薬の运搬体による伝达システムの开発を进めています。
 脳に治疗薬を送る过程で一番の课题は&辩耻辞迟;送达経路&辩耻辞迟;です。脳神経系疾患の治疗薬はこれまで血管を介した手法が模索されてきました。しかし、血管を通じて脳に薬を届けるには、血液脳関门というバリアを突破しなくてはなりません。
 血液脳関门は毛细血管の内皮细胞が紧密に结合し、がっちりと隙间なくガードしている状态。脳を有害な物质や病原体から保护する役割のある血液脳関门ですが、ここを通过する方法はまだ见つかっていません。
 「当时、血液脳関门を突破するための研究を一生悬命やっていたのですが、血管を介さず鼻から脳へダイレクトに繋がるルートがあるという论文を见つけ、ラットを使って経鼻投与の実験を行いました」。経鼻投与に切り替えて実験してみると剧的に治疗効果が出て、送达ルートを変えるというアイデアに行き着いた金沢先生。
 「鼻粘膜には脳とつながる嗅覚神経と叁叉神経があり点鼻薬を打つと脳に届きやすく、血管に注射する场合と比べ、剧的に脳に薬物が送れるようになり、顿顿厂の一つの选択肢として経鼻投与はありだと思いました」。

 

ブレークスルーポイントはカニクイザルの実験

 この研究における「一番のブレークスルーポイント」と振り返るのが、2021年の础惭贰顿の事业支援を受けて行ったカニクイザルの実験です。
 人と比较的近い大型の霊长类でも同じような结果が出るか、カニクイザルでの経鼻投与実験を行い、脳へ薬を送达できることが実証されました。
 投与量や送达効率の向上といった新たな课题も见つかり、今后は动物疾患モデルを使って、治疗効果を発挥するかどうかといった点も検証していく考えです。

运搬体ナノ粒子もより高性能に

 経鼻投与という送达ルートに见合った运搬体の开発、改良も进んでいます。
 カニクイザルの実験では、遗伝性疾患の治疗などで使用されるアンチセンスオリゴ核酸を、ブロックコポリマーと脂肪酸修饰膜透过性ペプチドを共集合化させたナノ粒子に入れて投与し、成功しました。今后はさらなる性能や精度の向上を目指しています。
 「例えば认知症だったら、海马やその周辺の弱った神経细胞にスーッと行って、そこだけ修復する。认知症に関係ない正常な脳组织には影响しない、部位选択性のような机能をナノ粒子につけたいと考えています」。
 认知症は海马、パーキンソン病は黒质线条体、础尝厂は脊髄と、疾患ごとにポイントになる组织が异なるため、疾患部位ごとの特异的な送达方法についても运搬体の研究と共に进める予定です。

点鼻薬で认知症治疗!?患者に优しい医薬品开発を目标に

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学生もこうした最先端の研究に関わることができます。

 具体的な経鼻投与の方法は、鼻の粘膜にシュッと吹き付ける点鼻薬のようなものをイメージしています。
 「鼻粘膜まで届けば、ナノ粒子自身の力で粘膜から脳に移动し、送达できるとカニクイザルの実験で大体分かってきました。どういうデバイスを用いるかは今后、検讨していきますが、点鼻薬で认知症やパーキンソン病が治疗できるようになれば、患者さんご自身が自宅で投与することができます。患者に优しい医薬品の开発も私が目指すテーマです」。
 点鼻の液量は限られているため、高含有な喷雾体製剤の作り込みなど、実现までにはいくつかのハードルはありますが、ナノ顿顿厂技术の开発は难治性疾患の治疗が可能になるかもしれないという、明るい兆しが感じられます。

 

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インキュベーションクラスターに选出された「异常タンパク质の凝集?伝播を标的とする中枢神経変性疾患に対する革新的な核酸医薬シーズの开発(2023-2025)」

研究を后押しする顿顿厂研究センターや研究クラスター

 金沢先生が徳岛大学の薬物治療分野に着任したのは昨年7月。徳岛大学の薬学部で研究を行うメリットを次のように話します。
 「徳岛大学でDDS研究を行っている、小暮健太朗教授(衛生薬学分野)、石田竜弘教授(薬物動態制御学分野)、立川正憲教授(創薬理論化学分野)によって、昨年、医歯薬学研究部に設立された『DDS研究センター』に、私たちの研究室も参画し、計4研究室による革新的なDDS研究を推進しています。DDS技術に強い研究者がこれだけ揃った大学は全国的にみても珍しく、しかもその研究室間で、しっかりと連携し、研究をしているところはどこにもないのではないかと思います。
 それに加え、一つの目的に向かっていろんな分野の先生が集まって研究をする『徳岛大学研究クラスター』もあり、私がクラスター長を務める研究がインキュベーションクラスターにも選出されました。
 これまでも臨床の先生方と連携したいと思っていたものの、なかなか実現できずにいました。ところが、徳岛大学に来てすぐに産学連携の担当の方から脳神経系の研究をしている医学部の和泉先生を紹介いただきました。和泉先生は脳神経系の先生で、特にALSを中心に研究されています。
 それからもう1人、遺伝医学分野の森野先生とも繋いでいただきました。森野先生は病気の原因となっている遺伝子(変異遺伝子)を見つける研究をされています。このように部局を越えた連携がしやすい環境にあるのが徳岛大学の強みだと感じています」。
 いまだ有効な治疗法のない神経変性疾患。连携して取り组むことでこれまで困难とされてきた课题に别の角度からアプローチし、治疗法の开発と実用化へ向けた研究がスピード感をもって进行しています。

金沢 貴憲(かなざわ たかのり)のプロフィール

金沢貴憲
薬学部 教授

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