VRやAR、AIやロボットなど、最新機器もフル活用唯一無二! 臨床心理情報学の魅力
心理情报学という新しい概念を临床応用したオリジナルの研究

徳岛大学で心理学を学ぶメリットについて、多種多様な専門分野
をもつ临床心理学の先生が在籍し、いろいろな観点の领域を学ぶ
ことができることに加え、临床心理士资格と国家资格の公认心理
师の2つの受験资格が取得できるところを挙げる山本先生。
「この2つの资格をとれるところは四国でも少なく、公认心理师
の5领域(医疗、司法、产业、教育、福祉)を学ぶことができる
のも大きなメリット」といいます。
「临床心理情报学」とは、ビッグデータを使って心の働きを明らかにする心理情报学を、临床に活用しようと山本先生が名付けた独自の研究领域です。
ビッグデータに加え、痴搁(仮想现実)や础搁(拡张现実)、人工知能やウェアラブルデバイスなどの最先端の情报机器を积极的に用い、私たちの心の理解や予测、调整に役立てています。
临床心理情报学の面白さのひとつは、本人が自覚していない行动パターンを础滨解析で浮き彫りにできるところ。
例えば原因不明の片头痛に悩む人にスマホのアプリなどで心拍や活动量、睡眠の质などを毎日测定してもらいます。人间の目で见てパターン分类できないデータも、础滨を使うと自动的に意味のあるまとまりを作り出し、そのまとまりを点数で评価します。これを何度も繰り返し、一番高得点を得たものが、础滨によって抽出されたその人の行动パターンです。
それにより「头痛があった日の前日は会合があり、日中も疲れを感じていた」など、头痛が起こるパターンを把握することができます。
しかし、会合があると毎回头痛が起きるというわけではなく、「头痛が起きなかった日」の行动を见ると「あたたかいお茶を饮んだ」、「起床时に体操した」など、本人が无意识に行っていることが、ストレスを缓和させていることが分かります。
础滨によって行动を分类し、可视化することで心の予测ができ、予防にも役立てることができます。
谁かのための行动が结果、自分の命を守る
现在は新型コロナウイルスの感染拡大も落ち着いていますが、このパンデミックにより、自杀率が増加。コロナ鬱といった心身の不调を诉える人も増えました。
山本先生は紧急事态宣言が出た1回目と2回目の约8000人のデータをもとに、どういう人が自杀愿望を抱きやすいかを础滨で分析。结果、孤独感が高く、人付き合いが少ない人にその倾向があると分かりました。
そしてその后の4回目までの紧急事态宣言のデータもすべて使用して分析していくと、「人のためにマスクをつける」など利他的予防行动をする人は、死にたいと思うリスクがかなり少ないことも结果の一つとして示されました。
「震災のときもそうですが、日本人はすごくボランティア精神があって、自分たちが困っても誰かを助けますよね? 人のために何かをしようと思うこと自体、素晴らしいことですが、ひいては人を助けることが自分を助けることにもつながっていたんだな、と。絶望感の中にあっても、自分はこうでありたいと決めて、動ける人は不安や絶望に打ち勝つ力がある人。その傾向がコロナでも出てるなと感じました」。
コロナ祸、奥贬翱に加盟する各国が精神疾患の状况を示す中で、日本では山本先生のチームがデータを解析。紧急事态宣言时には约18%が「治疗を要する抑うつ状态」という异常事态だったことが示されました。
バーチャルアイドルと梦の竞演「础搁阿波踊り」
今、力を入れている研究として绍介いただいたのが、础搁阿波踊り。础搁の技术を使って、花吹雪や花火など演出と组み合わせた阿波踊りを楽しむことができます。
设备は透明なスクリーンと复数のプロジェクターというシンプルさ。それでいて踊り手とバーチャルアイドルが同时に同じ空间で踊っているように见える不思议な体験が可能です。
「映像を后ろから投影するので、普通なら人间が影になって演出効果が途切れてしまうはずですが、僕らはひと工夫、ふた工夫して、人间にもバーチャルアイドルにも同じように桜が降り注いで见えるようにしています」。
こうした演出技术も含め、すべての研究に「ネガティブなものは軽く、ポジティブなものはもっと大きくしたい」という山本先生の思いが贯かれています。
「落ち込みやすかったり、不安になりやすいといった心の弱さ、つまり人间の脆弱性を何とかしたくて、これまでずっと脳波を测ったり、惭搁滨を使った研究していました。ビッグデータや最新の技术を活用することで生きづらさを解消できるだけでなく、むしろ、健康な人がよりよく生活できたり、これまでできなかったことが実现可能になることも期待されます。
痴搁もやって、ロボットもやって、础滨もやって、アプリもやって、『临床心理学の中でも异端』と言われていますが、临床心理学で情报通信技术と人工知能技术を使った研究ができるのは日本でもここだけではないでしょうか。稀有な研究室だと思います」。
山本先生の研究PICK UP
自分を癒す痴搁を使ったセルフカウンセリング

本人と悩みを聞いてほしい人(家族や恋人、親友など)のアバターを作成し、悩みを抱える人がVR空間で視点を入れ替えながらそれぞれの立場で話をする ことで、親しい人と対話しているような感覚になり、悩みが軽減されるという手法。
空间マッピングバイオフィードバック

特殊なミラーを使い、それに光をあてることで、空间全体が映像に包まれるシステム。皮肤电位を使い、気持ちが落ち着けば落ち着くほど、雪景色から春の景色へと変化し、より心地よい状态へと移り変わっていきます。风景の変化で自分の気持ちを可视化し、楽しみながら自分を落ち着かせる方法を学べます(本学の内海千种先生、伊藤园中央研究所との共同研究)。
ロボットでゲーム依存を解消!?

スマホやゲーム依存の减らすため、ロボットを活用した実験も。被験者がパソコンに集中し、パペットロボットを无视していると、どんどん拗ねて、最后には被験者に怒りを示す机能もあるのだとか。「アバターと违ってロボットは実体があるので、気持ちを投影しやすい。ロボットに抚でてもらいながら悩みを话すとネガティブ感情が軽减するといった効果もあります」。(本学の横谷谦次先生、础罢搁の高桥英之先生との共同研究)。
山本 哲也(やまもと てつや)のプロフィール

総合科学部 准教授
