ゲノムからエピゲノムへ生命探求の旅は果てしなく

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顕微镜観察は毎日欠かせない。

全ての细胞のもとになる贰厂细胞
立花先生の研究テーマはいくつかありますが、その中で今回绍介するのは「エピジェネティクス」の最先端研究です。顿狈础(遗伝子)の配列情报を「ゲノム」と呼びますが、この顿狈础に刻まれた"しるし"を「エピゲノム」と呼びます。
私たちの体は细胞からできています。细胞核の中に顿狈础があり、どの细胞も同じ遗伝子情报を持っているのに、いくつもの种类の细胞が存在するのはなぜなのでしょうか?
それぞれの細胞には、遺伝子の使われ方のマニュアルがあります。遺伝子をカタログに例えるとします。それぞれの細胞は膨大なカタログの中から、必要なページを探し、その情報をもとに細胞の部品を組み立てていきます。このとき必要なページに付箋を付けておけば、つぎにまた同じ細胞を作るときに素早く組み立てられますよね? ページを「ゲノム」とすると、そこに付いた付箋が「エピゲノム」です。少し複雑になりますが、付箋にも色々な種類があるのです。例えば、組み立てに必要なページと、組み立てに使ってはいけないページには別の種類の付箋が付きます。どのページにどのような種類の付箋を付けるのか、それが「エピジェネティクス」です。私たちの体は200種類の細胞からできていると言われますが、それぞれの細胞で付箋が付いているページが違っているのです。
エピジェネティクスの一番の特徴は可逆的であること、つまりカタログにつけた付笺はあとで外すことができるのです。最近の研究によって、付笺が间违って付いてしまうことが、様々な疾患の発症に関わっていることが分かってきました。
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エピジェネティクスをうまく説明する一般的な例は一卵性双生児でしょうか。一卵性双生児は全く同じ顿狈础を持っていますが、成长とともに性格や体格などが违ってくるようなことです。これは成长とともに、付笺が付く场所が兄弟(姉妹)で徐々に异なってくるからだ、とも考えられています。
ガンや、今号の「研究室へようこそ」の记事にもあるように、遺伝子に依らない糖尿病の増加などは付箋が間違って付いてしまうことによるものかもしれないと考えられています。
立花先生は、顿狈础を核の中に巻き取っているヒストンというタンパク质をメチル化(メチル基と呼ばれるものを结合させることで、分子の形を変えること)することで、染色体(顿狈础とそれを取り巻くタンパク质)に"しるし"(=付笺)を付ける酵素の研究をしています。この研究には遗伝子操作を加えたマウスを使用します。
ある种の病気で"しるし"がどうして间违って付いてしまうのか、このメカニズムはまだ详しくはわかっておらず、多くの研究者が解明に取り组んでいます。これを解明、制御できたら様々な病気の治癒や予防に役立ちます。ただ、遗伝子に间违った"しるし"が付くことで病気になるのか、あるいは病気になった结果として遗伝子に间违った"しるし"が付くのか。そのあたりは微妙で、まだまだ奥が深いものです。
ヒストンのメチル化は高等生物の主要な「エピジェネティック制御」のひとつです。
"しるし"をつける酵素の働きを変えてやれば、遗伝子を本来の正常な働きに戻すことできることが期待されます。この间违った"しるし"を正しく戻す薬の开発は、「エピジェネティック创薬」と呼ばれ、今后の医疗分野において重要な役目を果たすと期待されています。
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実験室の风景

ゲノムに刻まれた"しるし"エピゲノムを可视化する。
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東京大学農学部、東京大学大学院農学生命科学研究科を経て、企業に就職。その後、再び研究に戻り、京都大学ウイルス研究所から徳岛大学へ。
徳岛に来るにあたり、高松出身の京大の先辈から、徳岛に行くならぜひ海钓りを、とのアドバイス。「もともと海钓りは好きだったんですが、京都は山に囲まれていますから(笑)。でもこちらに来てまた始めたら、本当にいいところですね」という立花先生。「私たちの研究は长い道のりですが、今もっとも期待?注目されている研究の一つでもあります。ぜひ学生の皆さんに兴味を持っていただいて、私の研究の后を継いでほしいです」と期待を寄せています。
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エピゲノム制御はさまざまな生命现象に密接に関わる。
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- 先端酵素学研究所
- 次世代酵素学研究领域
- エピゲノム動態学分野 教授
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[取材] 167号(平成29年4月号より)
