
大学院ソシオテクノサイエンス研究部 生命機能工学
金品 昌志 かねしな しょうじ
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生命の秘密を探る未知の世界へ
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高圧力の中で生きる秘密
高い山に登ったり、海底深く潜らないかぎり、私たちは通常の生活では1気圧前后の圧力を受けて生活しています。ジュール?ベルヌ原作の「海底二万哩(マイル)」という厂贵小説があります。そこは数百気圧以上という、普通の生物ならつぶれてしまうようなとてつもない高圧力の世界です。
现在ではもっと深い海底の探索も行われており、たくさんの生物が存在していることはよく知られていて、空想の世界ではありません。が、宇宙开発に比べて、身近にある海の研究はまだまだ进んでいないのが现状です。深海の生物は进化に取り残され、生命诞生の秘密を持っているといわれているのにです。
金品先生は5千、6千気圧という高圧力の元で、生物がどのような影响を受けているのかということを细胞レベルで研究しています。深海の生物の研究は多くの机関で行われていますが、细胞レベルでの研究は世界でも珍しいそうです。
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金品昌志氏
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高圧力と细胞との関係
金品先生が「圧力」に兴味を持ったのは、麻酔のメカニズムから。麻酔をした実験动物に100から150気圧の圧力をかけると麻酔から覚めてしまう、という现象はすでに50年ほど前、アメリカのプリンストン大学で、オタマジャクシを使った実験により発见されています。これを「圧拮抗(あつきっこう)现象」と言いますが、これは麻酔薬が神経细胞膜に作用するためと考えられています。
细胞膜に圧力をかけることにより、构造が変化し、分子の働きがわかってきます。しかし细胞膜は脂质の他、タンパク质や糖が复合したものであり、その分子构造は多种多様で、全てが解明されるにはまだまだ时间がかかりそうです。
先生の研究室では人工的に作られたモデル膜を使って圧力実験をしていますが、その研究は深海生物にも生かされ、圧力に対してデリケートな生体膜(细胞膜)がどのように环境に适応して、高圧の深海でも生きていられるのか、その机能を探っています。
圧力装置は高価で、しかも先生の実験に适した既製品がないため、研究室の装置はほとんどが既製品に手を加えたり改良した手作りで、3千から5千気圧までかけることが可能です。

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高圧力実用化への道
「生命科学の基础となる研究ですから、今日明日に成果が出て何かに応用されるというものではありませんが、细胞膜の构造やコレステロールとの関係、膜タンパク质の働きなど、いろんなことがわかってきています。通常の気圧での研究はすでにスタートしているのです。そこで高圧力と生物とのからみが私たちの研究によって明らかになってくるでしょう」
実はこの高圧力は食品の杀菌などにすでに応用されています。ほとんどの微生物は5千気圧ほどで死灭してしまうからです。杀菌には热処理という方法もありますが、栄养素の中には热分解するものがあります。圧力杀菌では栄养素が壊れることはありません。ただ5千気圧をも生み出す装置は非常に高価です。というのも通常、高圧力に耐える素材としてはステンレスなどが安価なのですが、ステンレスの圧力限界が3千気圧程度なのです。
金品先生の研究によりこの杀菌のメカニズムが解明されてくると、もっと低い圧力での杀菌が可能になるかもしれません。
生命と圧力の関係、それは私たちには意外な组み合わせの研究ですが、医学や生物学とは违った面からのアプローチとして、私たちに大いなるインパクトと兴味を与えてくれるものではないでしょうか。
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金品氏と研究スタッフ
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[取材] 126号(平成19年1月号より)
