
大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 口腔分子病態学分野
林 良夫 はやし よしお
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未知の病気への挑戦!
难病?シェーグレン症候群に取り组んで
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シェーグレン症候群とは
「シェーグレン症候群」、一般的には闻き惯れない病名ですが、1933年、スウェーデンの眼科医ヘンリック?シェーグレンが、涙が出にくいために眼の表面に伤が付く乾燥性角结膜炎に関する论文を発表したために、この病名が付けられました。数多くある自己免疫疾患の一种で広い意味でリウマチ性疾患に含まれています。
たちまち生命の危険に直结する病気ではありませんが、初期の症状では涙が出にくい(ドライアイ)、唾液が出にくい(ドライマウス)、汗が出にくいといった乾燥症状のほかに、疲れ易く気分が忧うつになったり、関节が痛くなって热が出たりします。さらに重症になると関节リウマチや间质性肺炎など、全身にさまざまな症状を起こします。
病気特有の病状がはっきりとしていないのがやっかいで、まだその原因がほとんど解明されていない病気です。例えばドライアイやドライマウスだからといってシェーグレン症候群というわけではなく、そうした症状が出る病気の一部がシェーグレン症候群なのです。つまり症状がいろいろな病気と似かよっていながら多岐にわたっているために、患者さんは症状に応じていろんな科を受诊し、诊察してもシェーグレン症候群と特定されるのが难しいのです。そして国内で推定50万人といわれる患者の95%以上は女性だそうで、林先生のグループではこの病気が女性に极端に多い真の理由についても解明をすすめています。
「最终目标はもちろん患者さんへの効果的な治疗です。研究は広范囲にわたりますから、内科や眼科?耳鼻科?皮肤科?整形外科などとの协力体制も大切でしょうね」と、林先生。

挑戦の姿势いつまでも
20年以上もこの病気の解明に取り组んでこられた林先生は、1997年にはモデルマウスによる実験の结果、细胞膜を构成する「アルファ?フォドリン」と呼ばれるタンパク质に异常があることを発见。ヒトとも共通する原因であることを「サイエンス」誌上に発表するや多くの新闻や研究誌に取り上げられました。しかし、それ以前に、ヒトと同じような症状をもつ実験用のモデルマウスを树立するだけでも10年を费やしたという地道で息の长い研究です。
その后の研究により、アルファ?フォドリンの异常は、女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏とも関连し、他のさまざまなリウマチ性疾患の原因となっていることが判ってきました。それでもまだまだ大半は未知の世界なのです。
「いつも挑戦し続ける姿势を持っていなければなりません。生命科学、とくに难病研究は核心に近づけば近づくほど难しくなります。何かが判れば新しい未知の课题がさらに倍増するからです。」
2003年には「日本リウマチ财団」が毎年、リウマチ研究の発见や进歩に大きく寄与する国内の研究者に赠る「ノバルティス?リウマチ医学赏」を受赏。中四国では初めての受赏となりました。
シェーグレン症候群を含めた自己免疫疾患を治疗するための治疗法の発见は、今后の医学にとって重大な研究课题です。
林先生の研究グループでは、すでに発表したアルファ?フォドリンがカスパーゼ(タンパク质分解酵素)の基质タンパクであることから、その病気固有の膜タンパクの破绽が自己抗原(病気の标的となる物质)の成立に深く関与している可能性が高いとし、シェーグレン症候群の発症に密接に関连する膜タンパク破绽の成立机序の解明によって自己抗原制御システムを先端医疗技术として创出し、さらにその他の自己免疫疾患も视野に入れて広范な研究を进めています。これにより难病の特异的な诊断?治疗法の临床応用の実现が期待されています。

上写真は林氏と研究スタッフ、下写真は研究室の様子
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[取材] 124号(平成18年7月号より)
