
大学院ヘルスバイオサイエンス研究部分子情报薬理学分野
福井 裕行 ふくい ひろゆき
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生薬の効果を化学(科学)で里付け
薬の未来を大きく発展させる
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ヒスタミンと受容体の働き
ヒスタミンという名前を聞いたことがあるでしょうか。ヒスタミンは食物から直接体内に取り込まれたり、体内で合成される化学物質です。花粉症やアレルギーの治療をされている方は、薬品の一般名で書かれていますが、抗ヒスタミン薬が投薬されているのを見ると思います。ヒスタミンを抑制する薬ということですから、ヒスタミンはそういう病気の一因となっているということです。 こう書くとヒスタミンは悪いもののようですが、人の体内にある物質はすべからく必要なものであり、微妙なバランスの上に成り立っているわけで、これらが暴走するとアレルギー疾患や消化性潰瘍などのやっかいな病気の原因となるわけです。
ヒスタミンは皮膚、粘膜、肺、消化管、胃、脳など多くの組織に存在し、それぞれの役割を果たしています。皮膚、粘膜、肺、消化管などに存在するヒスタミンは免疫機能に働いていますが、アレルギー疾患ではヒスタミンの暴走により症状を引き起こします。ところが、目が覚めている、というのは脳のヒスタミンの作用(も大いに関係しています)です。抗ヒスタミン薬を服用すると眠くなるのはその働きが抑えられるためです。 ヒスタミンのような体内の化学物質が作用するために、それぞれに『受容体』というタンパク質が存在し、結合する必要があります。
ヒスタミンの受容体は现在、贬1型~贬4型と呼ばれる『骋タンパク质共役型受容体』である4种のサブタイプが発见されており、それぞれ受容体により作用が违います。
ヒスタミンは4种のサブタイプを介して、先に书きました皮肤や粘膜における免疫に対する作用をはじめ、胃では胃酸分泌促进作用、脳では覚醒作用、食欲の调节、饮水の调节、体温の调节、平衡感覚の调节、神経内分泌の调节、けいれんの抑制、あるいは记忆学习能に作用する大事な物质です。とはいえ、その働きの全てがわかっているわけではありません。
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世界で初めてヒスタミン受容体の构造を解明
福井先生は薬理学全般にわたる研究を行っていますが、中でもヒスタミンの受容体となる『ヒスタミン贬1受容体』を介する情报伝达の分子レベルの研究において最先端にあり、その构造を世界で初めて明らかにした実绩があります。
『ヒスタミン受容体』や『蛋白キナーゼCによるヒスタミンH1受容体シグナリングの調節』、『ヒスタミン』、『脳と神経科学シリーズ第4巻 神経伝達物質ー受容体の分子機構と病態』、『ヒスタミン受容体の分子生物学』など、ヒスタミンに関する著書が多数あり、1995年度の『日本生化学会JB論文賞』を受賞しています。

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人类の知恵を化学的に証明する
ヒスタミンの研究をする中で、福井先生は东洋医学、いわゆる汉方で使われる生薬にも注目しました。汉方は人の経験から生まれてきた医学と言えます。数千年にわたる人类の知识と知恵、多くの犠牲などを経て确立されてきたものです。
「生薬の効果は认められているのですが、里付けされた研究データはあまりありません。薬は扱い方を间违えば毒にもなるわけです。しかしながら生薬を科学的に研究して、系统立てて解明していくことが、新しい薬の开発にも大きな进歩をもたらすと考えています」
「アレルギーに効く生薬の中から、ヒスタミン受容体の数を减らす働きをする物质を数种类同定しています。生薬を新しい考え方と新しい実験技术で取り组むことにより、これからの薬学の新しい研究モデルとなれば、と思って取り组んでいます」
ヒスタミンをきっかけとした先生の研究は、他の薬学の先生方とも协力しながら、西洋医学と东洋医学の融合という、新たな薬の未来を拓こうとしています。
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福井 裕行氏のプロフィール

- 1973年3月 大阪大学医学部卒業
- 1977年3月 大阪大学大学院医学研究科博士課程修了
- 1985年6月 大阪大学医学部第二薬理学助教授
- 1998年2月 徳岛大学薬学部薬物学教授
- 2004年4月 徳岛大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部分子情报薬理学分野 教授
[取材] 140号(平成22年7月号より)
