空飞ぶロボットに梦を乗せて!

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あらゆる科学の分野が日進月歩で進化する昨今、アニメやSFに登場するロボットは、現実のものになりつつあります。 家庭でのお掃除から建設現場や災害現場で活躍する様々なロボット、やっかいなことに戦争に使われるロボットなど、すでに様々な形でロボットたちは私たちの生活に関わっています。
例えば、鉄腕アトムにあこがれた少年が研究者となり、ホンダの二足歩行ロボット〝アシモ"を作り出したように、叁轮先生も少年时代から航空机やロボットが好きで、空中で活动できる作业ロボットの开発を目指しています。
それはヘリコプタのように垂直に离着陆でき、さらに空中で安定した姿势を保ちながら、様々な作业ができるというものです。これまでに、脚部にスラスタ(推进器)を取り付けた作业ロボットを想定した、専门的には倒立振子型飞行体という実験机が开発されています。
倒立振子型にしている理由は、接地面积が少ないので离着陆に必要な空间が狭くてすみ、また机体の形状もスリム化でき、狭い场所での飞行に向いているからです。

先生の研究室では、一昨年6月に開催された「第6回 地域防災防犯展」で、スラスタにダクトファン(筒の中でプロペラが高速に回転する装置)を用いた倒立振子型の飛行体を公開しました。
重心位置を机体の上方に配置し、搭载した2基のダクトファンで姿势を制御して、安定した空中姿势を保てるようにしています。机体が縦に长いため、见た目には不安定なようですが、非常に安定して飞ぶことに成功しています。これを制御できなければ、脚部にスラスタをもった作业ロボットの実现は难しいので、研究の课题が集中するところです。
何度も実験を重ね、データをとり、修正を加えていきます。高価な部品も使いますが、既製品にないものも多く、オリジナルの部品も作らねばなりません。
このような飛行体は、人が作業するには危険な高所や狭い場所などでの作業?点検などの用途に応用することができます。 先生は、飛行体で撮影した写真を用いた、画像処理による構造物のひび割れ検出の研究にも取り組んでいます。 このような技術は橋梁や各種のインフラ点検の利用にも大いに期待されます。
右の写真は、叁轮先生の研究室で开発された各种飞行ロボット。ヘリコプタ、ロボットの上半身を搭载したマルチダクトファンヘリコプタ、倒立振子型飞行体。
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试作机にダクトファンを使うのは、回転部分が小さく、本体への内蔵が可能だからですが、安全面での配虑もあります。実は近年、推力装置となるプロペラを2枚以上持ったマルチコプタと呼ばれる飞行体が、空撮などに使われています。"なんだ、もう実用化されているんだ"、と思われるかもしれませんが、これについて先生は、「一般的な安価な模型レベルの製品は、高速回転するプロペラがむき出しになっていたり、コントロールが不安定だったりして、人の近くや町中での使用には危険が伴うものがあります。法的な规制も追いついていないのが実情ですので、ネットで映像などを见ていますと非常に心配です」と危惧されています。
実际に研究室の皆さんの実験を见ていると、いかに飞行体を空中で制御することが难しいかが判ります。
先生の倒立振子型飞行体は推力偏向方式と言って、4基のサーボモータを使ってダクトファンを直接倾けて推力の方向を変えることで、机体の姿势を制御しています。
また、ダクトファンを使ったマルチコプタも研究しておられ、4台または8台のダクトファンを搭載したタイプを試作し、飛行に成功しています。 ダクトファンを用いたマルチコプタでは、機体の中央部にスペースを設けることができるため、この部分に荷物やロボットを搭載することが可能になります。
今后はこの技术を固定翼机に応用し、机体にダクトファンを内蔵した、非常时にも安全に滑空着陆できる垂直离着陆机(サンダーバード2号のようなものです)の开発も目指しています。
外見は簡単なようですが、右回転と左回転する2種類のダクトファンと、ダクトファンの向きを制御するサーボモータ、姿勢センサやGPS(人工衛星を利用した測位システム)などの精密機械が一体となっています。 今後の課題は空中でのさらに安定な姿勢制御です。
先生と研究室では、これらの研究と合わせて、人型ロボットの受动轮(ローラースケート)による滑走移动に関する研究も进めており、ホバリングの机构を脚の内部に组み込むことにより、アニメ「机动戦士ガンダム」に登场する「ドム」と呼ばれるモビルスーツのように、空中で自由に活动できる人型ロボットや乗り物の実现を目指されています。
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- 大学院ソシオテクノサイエンス研究部
- エネルギーシステム部門 エネルギー制御工学 講師
- 研究テーマ
- メカトロニクス、制御、无人航空机、ロボット、マイクロ光造形法、マイクロマシン
[取材] 156号(平成26年7月号より)
