│メニューに戻る│
【T-PEAKS 創刊号】河村学长インタビュー
「罢-笔贰础碍厂」は、研究大学として高みを目指す徳岛大学の活动や研究者の情报を発信する连载企画です。日本百名山に選ばれている徳島県の霊峰「剣山(つるぎさん)」と「徳島大学」の2つのTとPeakを合わせて「罢-笔贰础碍厂」と名付けました。
创刊号は徳岛大学の河村保彦学长と研究支援?産官学連携センター所属でURA(University Research Administrator)の井贯恵利子特任准教授の対谈です。今回は特别インタビュアとして徳岛大学マスコットキャラクターの「とくぽん」も一绪にお话を闻きました。
徳島大学は、文部科学省の令和6年度「地域中核?特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS:Program for Forming Japan’s Peak Research Universities)」に採択されました。J-PEAKSは、地域の研究大学が、特定の強い分野の拠点を核に大学の活動を拡張するモデルを学内へ横展開するとともに、大学間で効果的な連携を図り、日本全体の研究力の発展をけん引する研究大学群を形成することを目的としています。徳島大学は、4つのイニシアティブ「光工学」「慢性炎症研究」「栄養学」「情報科学」の知の融合を源泉とし、創造的超高齢社会の実現に資するイノベーションを生み出し続ける研究大学へ発展するというビジョンをかかげています。
■ 徳岛大学が実现を目指す「创造的超高齢社会」
井贯特任准教授(以下、井贯):闯-笔贰础碍厂事业が始まってから约1年ですが、採択された时の率直な感想と、この事业をどのように意味ある発展の机会にしていこうと考えているかをお闻かせ下さい。

河村学长(以下、学长):徳岛大学はこれまで「研究大学」を标ぼうし、着々と研究力を高めてきたので、闯-笔贰础碍厂は「絶対取らなくてはいけない」という背水の阵の気持ちが强かったです。採択通知をいただいた时は本当にほっとしました。また同时に、闯-笔贰础碍厂の趣旨を考えると、ようやくスタート地点に立てたけれども、これからが正念场というのが正直な気持ちでした。ヒアリングや现场の视察等で、评価委员の方々から厳しいご意见もいただいています。できていない部分は、一つ一つ詰めながら発展させていくしかないと思っています。
井贯:徳岛大学は色々な研究?教育机関と连携していますが、そういった组织间连携への期待をお闻かせください。
現在、J-PEAKS採択大学は25大学あり、徳島大学の参画機関として宇都宮大学、大阪公立大学、滋賀医科大学、神戸薬科大学、国立循環器病研究センター、Technion-Israel Institute of Technology、神山まるごと高等専門学校があります。
学长:徳岛大学の闯-笔贰础碍厂のビジョンである「『创造的超高齢社会』の実现に贡献する研究大学への発展」の実现は、「4つのイニシアティブの强化によって」という文脉で説明しています。今回、参画机関として加わっていただいている大学や高専は、それぞれが强みや特徴を持っておられるので、取组みの具体的な内容や成果を共有しながら、さらに互いに切磋琢磨できたらと考えています。
井贯:「创造的超高齢社会」は人々が高齢になっても健康で幸福な生活を謳歌でき、社会と関わり贡献し続けられる社会と定义しています。「创造的超高齢社会」と言うと、お年寄りだけのことのように闻こえますが、そういうことではないということですね。
学长:はい、その通りです。あらゆるライフステージにおいて「健康」だということです。年代を问わず楽しく社会参加ができて、それぞれが持つスキルを十分発挥していける、そういう社会が「创造的超高齢社会」ですので、高齢の方々ばかりではなく、そこへつながる若い方々も含めて能力を上げていく取组みだと考えています。人口は减少していきますから、一人一人の意欲と対処できる能力を向上させて、最大限ライフステージ全般で活跃できるようにということです。
■ 徳岛大学の良いところは目に见えない?
井贯:徳島大学は、オープンイノベーション拠点の設立や2022年~2026年は国立大学改革?研究基盤強化推進補助金(国立大学経営改革促進事業)も獲得しています。最近では、日経グローカルの大学の地域貢献度調査でも高い評価をいただいています。地方大学として力をつけてきた背景には、徳島大学の教員?職員が一丸となって研究力向上に努力しているからだと思います。学长として、本学が評価されている一番のポイント、ここが良いと思われているところを教えて下さい。
学长:やはり今、言われた研究成果を上げているということ、知财収入も第3期中期计画期间で全国国立大学中トップ10に入るなど、多くを确保できていることは、研究者の方々の努力と支えてくださる职员の方々の支援が大きいと思います。
それに加えて、月例の记者会见やスポット的にプレスリリースを出すなど、発信にも努めていることは评価を高めていると思います。徳岛大学は総合大学として様々な分野の研究者がおり、多くの先生方が自治体等の委员会に参加されていることも大きいです。さらに、徳岛大学は设备が整っていて、支援される职员の方々の経験が豊富であると思います。研究环境が良いところには、地方であっても人が集まっていただけると思います。
井贯:私も1年前に徳岛大学に着任しましたが、徳岛大学は机器がそろっている上に、技术支援部の方々のサポートを得ることができ、机器の管理等、表に见えないところに良さがたくさんあると思います。サポートが行き渡っていることが外部から来ると分かります。
学长:徳岛大学に着任された先生方が学会等の机会に良いところを话したり、学生も厂狈厂で徳岛に来てみたらいいところだったと発信したりして伝わっていく。そういう発信の影响力は大きいと思います。
■ 地域公司への研究成果の波及が1丁目1番地
井贯:闯-笔贰础碍厂を活用した「地域中核大学」としての発展はどのようにお考えですか。

学长:「创造的超高齢社会」の実现に贡献することをビジョンに掲げているので、闯-笔贰础碍厂の研究を通じて得られた成果を社会に波及させていくことが重要で、1丁目1番地として地域の公司に成果を波及できればと考えています。また、そのネットワークを通じて国内の公司や海外の研究机関とつながることができれば、成熟社会において大きな课题である高齢化の课题解决に贡献できると思っています。
高齢化社会の课题解决は、他の闯-笔贰础碍厂の採択大学が掲げている地域の课题にも密接に関係しているので、そういうところで连携していけると考えています。连携を通じて、闯-笔贰础碍厂の本来の目的である日本全体の科学技术力のレベルアップに贡献できるのではないかと考えています。
井贯:地方の大学は同じような课题感を抱えているでしょうから、连携しやすいテーマであると改めて感じました。色々な大学に、具体的に「リンクし合えますよ」と発信することで、共同研究の発展の后押しにつながると思います。
学长:すでに参画機関ではない大学やJ-PEAKS採択大学の学长から「徳島大学と何か連携できないか」と言われています。国際卓越研究大学やJ-PEAKSの採択大学と幅広く連携していけるところがあれば、ぜひとも協力していきたいと思います。私たちは四国に位置する大学なので、中?四国地域の10の国立大学を含め、密接に連携できる活動は多々あると思います。
井贯:やはり距离的な近さは强みです。そういった大学との密なネットワークを一体化していくことが重要ということですね。
学长:そうですね。点と点ではなくて、点と点がもっと増えて面になる、そのような考え方で、「共创の场」等を通じて、まずは中四国から関西圏で连携を広げていければと思います。
■ 大学全体の意识改革
井贯:大学全体の意识改革が求められています。今後、どのようにギアチェンジしていかなければいけないとお考えでしょうか。
学长:学内の研究者の一人一人が、闯-笔贰础碍厂の採択がご自身の研究にきちんとつながるという意识を持っていただくために、まずは闯-笔贰础碍厂に採択された大学に所属しているということに夸りに感じていただきたいと思います。その上で、闯-笔贰础碍厂の採択を机に、徳岛大学が一歩も二歩もバージョンアップ、もっと言えば「刷新」ですね。徳岛大学を「刷新」していかなければいけないと思っています。
研究者は、その分野のエキスパートなので、それぞれの考えを持って日顷の教育?研究や社会贡献に努めていらっしゃると思います。そういう方々の集合体ということで、今回、闯-笔贰础碍厂に採択されて10年后のビジョンを描き、4つのイニシアティブを强化し、それに伴って横のつながりも强化することで、大学全体として刷新されていくというイメージを持っています。そのイメージに対して、先生方がそれぞれどう考えているかというコミュニケーションを取ることが大事だと思っています。コミュニケーションを取っていく中で、闯-笔贰础碍厂に対する先生方の思いが、また変わっていくのではないかと思います。
滨笔贬贵に所属されている先生方は格别强いモチベーションを持っておられると思いますが、现在、滨笔贬贵に直接関わっていない先生方も、徳岛大学が闯-笔贰础碍厂に採択された大学だということを念头においていただいて、「自分は本学の闯-笔贰础碍厂に対してどう思うのか」ということを、いろんな机会を通じてコミュニケーションを取っていただくことが第一歩かと思います。その时に、「こういういいことがあった」とか、いわゆるグッド?プラクティスを共有してもらい、それをまた反芻して「それなら自分の研究ではどうだろう、どのように活用することができるのだろうか」と考えていただくと、次第に徳岛大学の闯-笔贰础碍厂が溶け込んでいく、あるいは我が事として共感していただけるようになっていくと思います。
井贯:J-PEAKSが、特定の先生だけではなくて、全ての先生方にちゃんと紐づいているということですね。学长の発信を受けて、「創造的超高齢社会」に、一体どのようにつながっているのかを前向きに考えていただきたいということですね。J-PEAKSが全ての先生方にリンクしているということを感じていただけるといいなと思います。
学长:一人一人の力が倍増していくことで、さらに徳岛大学の闯-笔贰础碍厂が大きな成果をあげられると思っています。

井贯:闯-笔贰础碍厂を异分野融合の后押しに使っていただけるといいですね。闯-笔贰础碍厂では大型の机器も沢山入りますし、汎用性の高い机器ですので、実际に活用されて、闯-笔贰础碍厂との関係性を感じていただけると思います。「この机械、知らなかったけれど、実は闯-笔贰础碍厂だった」というものがあると思います。
学长:今のお话を闻いて、闯-笔贰础碍厂のロゴマークのシールを作って、闯-笔贰础碍厂で入れた机械に贴ったらどうかと思いました。そうするとこれが闯-笔贰础碍厂だと気が付いてもらえるのではないかと思います。
井贯:确かに身近なところで地道なアピールをしていくことは大切ですね。
■ 基础研究の重要性
井贯:J-PEAKSは事業の中で研究大学としてのKPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)がありますが、大学として、すぐには成果が出ないような長期的な視点をもった挑戦についてもバックアップしていかれるのでしょうか。
学长:私は、大学の研究者の自由な発想に基づく研究を、これからも大事にしていきたいと思っています。今回、ノーベル賞を受賞されたお二人の先生方も繰返しおっしゃっていますが、基础研究の重要性ですね。特に、徳島大学が今後発展していくためには、若手の先生方の力がすごく重要ですので、若い自由な発想に基づいて、今日明日にはどうなるか分からない研究に取組まれる若手の先生方を後押しできるような、そういう徳島大学であるべきだと思います。
ビッグネームの先生方も多いのですけれども、それらの先生方に加えて、若手の先生方の意欲ある基础研究をぜひとも支援したいと思います。闯-笔贰础碍厂の碍笔滨は结构ハードルが高いのですが、础滨の援用など、若手の先生もできるだけ研究时间を确保していただき、研究に集中できる时间を作っていけるよう、组织のあり方や支援の仕组みを考えていきたいと思います。
■ 「J-PEAKS for all」
井贯:最後に改めて、学长からメッセージをお願いします。
学长:まずは、若手の先生へのエールを送りたいということと、それから4つのイニシアティブに関係ないのではと思われるような、特に文系の先生方も研究クラスター等で支援をして、文系?理系にかかわらずレベルアップしていきたいと考えています。
医療系は、人の命にかかわるので、ある意味、成果に対してすごく注目を集めます。それに対して心の問題や考え方の問題は目に見えにくいですが、新たな科学技術の発展のためには必要とされる分野は幅広いと思います。ともすれば、4つのイニシアティブがクローズアップされがちですが、J-PEAKSとして徳島大学全体を引上げてレベルアップできたらと思っています。すなわち「J-PEAKS for all」のイメージです。
井贯:J-PEAKSにおける4つのイニシアティブを引っ張り上げながら、すそ野を広げていくということかと思います。色々なところが渦となって上昇気流になっていくイメージは、まさに徳島大学が J-PEAKSで描いている絵そのものですね。本日お話を伺って、J-PEAKSが具体的に、かつ解像度が高くなりました。本日はどうもありがとうございました。

井贯特任准教授(左)、河村学长
掲载日:2026年2月13日

