平成23年度徳岛大学入学式式辞
平成23年4月6日(水曜日)
会場 アスティとくしま

新入生の皆さんご入学おめでとうございます。また本日ご参列いただきましたご家族や関係の皆様方に対し、徳岛大学を代表いたしまして心よりご入学のお祝いとお慶びを申し上げます。
去る3月11日に起きた东日本大震灾は、未曾有の被害を日本に与えています。このように世界各地における地震?津波をはじめ、现在、世界は政治不安、异常気象、环境破壊等极めて忧虑される状况下において、科学技术の急速な进歩、グローバル化、情报化、そして少子高齢化等、社会がスピードをもって変化し新たな课题が生じてきています。このような社会の复雑化およびその多様性に対処しなければならない时代になっていますが、これからの四年间または六年间の大学生活を有意义に过ごし、また楽しんでいただくことを心より愿っています。
まず最初に徳岛大学の理念についてお話します。徳岛大学の理念は「自主と自律の精神に基づき、真理の探究と知の創造に努め、卓越した学術及び文化を継承し、世界に開かれた大学として、豊かで健全な未来社会の実現に貢献する」であります。
まず皆さんは、「自主と自律の精神」を学生生活を通じて養うことを心掛ける必要があります。自主と自律は、言いかえれば主体性を持つということだと思います。そのことが重要であることの一つの理由として、社会から大学卒业生の自立性の喪失が指摘されています。自己の適切な判断力で行動できるようになることが重要です。このためには、自分が大学において何を学ぶべきか、何をするべきかをきちんと意識しておく必要があります。すなわち、自分のキャリアデザインを常に描き続けることで、自己形成ができる人間力を養ってください。そして「真理の探究と知の創造」ですが、今までの高校生活と違うところはこの点にあると思います。大学での学問は今までの学問と違い、深い探究心に基づき本当の知識を身につけ新しい知識を生み出すことにあります。そしてこれらのことがひとつひとつ積み重なり、社会への貢献と発展するわけです。またこれらのことは言葉でいえば簡単なようですが、そんなにたやすいものではありません。そして本当の知識を得るためには、個人個人の倫理感、道徳感も養う必要があります。倫理感、道徳感を持たない知識は何の意味もありません。それは決して真の知識とはいえません。
次に1973年ノーベル物理学赏の江崎玲於奈先生の「ノーベル赏をとるためにしてはいけない五ヵ条」についてお话したいと思います。
第一は、今までの行きがかりにとらわれてはいけない。しがらみを解かない限り、思い切った创造性の発挥などは望めない。
第二は、教えはいくら受けても结构だが、大先生にのめりこんではいけない。のめりこむと、権威の呪缚から逃れられなくなり、自由奔放な若さを失い、自分の创造力も萎缩する。
第叁は、无用なガラクタ情报に惑わされてはいけない。我々の能力には限りがあるので、吟味された必须の情报だけ処理する。
第四は、创造力を発挥して自分の主张を贯くためには、戦うことを避けてはいけない。
第五は、子供のようなあくなき好奇心と、初々しい感性を失ってはいけない。
これら五ヵ条はノーベル赏をとるためとは関係なく、大学生活のみならず、社会生活においても共通する教训であるといえます。
最后に教养的知识の重要性について述べます。教养とは広辞苑によれば「単なる学识?多识とは异なり、一定の文化理想を体得し、それによって个人が身につけた创造的な理解力や知识。その内容は时代や民族の文化理念の変迁に応じて异なる」とあります。
皆さんは大学に入り、早く専门教育を学びたい、専门知识を身につけたいと思っていると思いますが、现代のように世界が狭くなり、全てが多様化し、変化し続け、复雑化する状况においては、専门知识、技术だけでは解决できない问题が山积しています。それには问题の本质を见极める能力が必要となります。すなわち幅広い知识と、物事を多くの违った様々な角度から见ることができる能力が要求されるわけです。この能力こそが教养といえます。是非皆さんにはこのような能力に加え、物事を俯瞰的に见ることのできる力を教养教育を通じて会得されるよう愿ってやみません。
皆さんのこれからの大学生活が、豊かな自然に恵まれた徳岛で楽しく有意义なものとなるよう祈念して、平成23年4月6日、诸君の记念すべき入学式に际してのお祝いの言叶とします。
最后になりましたが、観测史上最大规模の东日本大震灾に被灾された皆様に心よりお见舞い申し上げるとともに、犠牲者の方々に深甚なる哀悼の意を表します。悬命の救助および復兴活动が続いています。被灾地の皆様には一日も早くの復旧を心よりお祈りして式辞とします。

